Roger Goulart

ロジャーグラートのセラーハウスは、スペイン北東部のアルト・ペネデス地方、サン・エステヴェ・セスロヴィレスにあります。このエリアは、カヴァの主要品種の一つであるチャレッロの産地としても良く知られています。ロジャーグラートは、この土地の風土が育む在来種、チャレッロ種の魅力を最大限に生かしたカヴァ造りを目指しました。その意味で、テロワールが反映された個性豊かなカヴァといえるでしょう。そして今日、セラーを取り巻く豊かな自然や環境といった資産を生かしながら、未来に繋がる最高峰のカヴァ造りを続けています。

ロジャーグラートの製法は創業当時から基本的に変わっておりません。創業者、ジョセップ・カナルスは、自らが魅了された泡の美酒、シャンパンを生み出すシャンパン製法（Method Traditional）に徹底的にこだわりました。ロジャーグラートはその理念を、今でも厳格に守り、毎年毎年、厳選した最高品質のブドウだけを、手間ひまのかかるシャンパン製法で、丁寧に仕上げています。このこだわりこそが、今日のロジャーグラートの評価の高さにつながっているのです。

スペインのカヴァ醸造規定では、カヴァの熟成期間は最低9ヶ月と規定されています。しかし、ロジャーグラートは、ワインのクオリティのあくなき追求のため、敢えて規定より長く熟成を行っており、最短でも約18ヶ月、長いものでは48ヶ月にわたり熟成を行っています。そして、それだけの年月をかけて熟成するに値する、ワイン自体の品質にも徹底してこだわりました。ロジャーグラートではブドウを厳選するのはもちろんのこと、そのブドウの一番搾り果汁（ファーストモスト）のみを用いています。

ロジャーグラートは、地元の良質なチャレッロ種を主軸に、スタンダードクラスのカヴァにはマカベオ種を多く使い、24ヶ月以上の長期熟成をさせるプレミアムクラスのカヴァには、チャレッロ種にシャルドネ種などを加えて造っています。シャルドネは、この地方元来の品種ではありませんが、DOカヴァ（原産地呼称ワイン）への使用が認められており、少量用いることにより、独特のアロマと味わいをもたらします。また、ロゼには優美な色と味わいを引き出す、ガルナッチャ種とモナストレル種が使われています。

最高品質のブドウと、手間の掛かるシャンパン製法（Method Traditional）から造られたロジャーグラートのカヴァは瓶詰めされた後、100年以上も前に造られた同社の地下30mのセラーで保管されることになります。清潔で冷涼なセラーは、通年15度に保たれ、ワインを熟成するのに理想的な環境とも言えます。磨き抜かれた何千本ものボトルは、その華やかな香りと繊細な味わいが熟成されるまで、深い眠りにつくのです。また、現在のロジャーグラートのセラーハウスは、現代主義建築様式の建築家として知られていたイグナシ・マス・イ・モレイの手により、1919年に建築設計されたもので、地元でも有名な建物となっています。

柑橘系の五感をくすぐる香りと、臈長けた味わいを持つ、まぎれもない最高品質のカヴァです。特定地域のブドウのみで生産され、瓶詰め後も地下30mのセラーで、48ヶ月以上という長期の熟成を行っています。そのためストラクチャーのしっかりした官能的な味わいと、キメの細かい泡立ちが堪能できます。

白/辛口 750ml
チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ、シャルドネ

ロジャーグラートの代名詞とも言える一本がこちら。口に含んだ瞬間から、完熟イチゴのような香りとチェリーの風味が膨らみます。夜間の涼しい時に収穫したブドウを、10時間以上掛けてゆっくり色を出した後に発酵させるという、手間ひま掛けた製法によって生まれた、世にも艶やかなルビー色が特徴的です。シャンパンの最低熟成期間15ヶ月を上回る18ヶ月もの瓶内熟成を行ない、優雅で耽美な味わいを醸し出しています。

ロゼ/辛口 750ml
ガルナッチャ、モナストレル

フルーティで辛口の、どなたにも愛されるスパークリングワインに仕上がっています。スペイン・ペネデス地区で収穫されたトップクラスの三種類のブドウ品種を使用。それぞれの品種の持ち味を最大限に引き出し、フルーティさと酸味が見事にハーモニーを奏でます。洋食だけなく和食との相性も抜群。料理を選ばない一本です。平均18〜24ヶ月の瓶内熟成期間を経て出荷されます。

白/辛口 750ml
マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ